前回すべてを仕立ててもらって槍ふりまわしマンとして復帰を果たすかに思われました。
しかし、おれはヒーラー……。癒し殺すことこそが宿命。あの日磯臭い街の、やたら威圧感のある倉庫番にビビって短剣を落として逃げ出した先で木の枝を拾った時、それを知った。(装備は整ったもののみんな別鯖いったり思い思いのことをしてたりしてほっとかれた
当初の予定通りメインストーリーを進めよう。そう決めた。
そう決めたまでは良いものの、もはやヒーラーとは何をするものか半ば忘れかけていた。呪術師としてファイアでヒーター役をやることでもなく、調理師になってピーラーをつかうことでもない。パーティが死んでいれば蹴り起こし、傷を追っていればなかったことにして戦場へと追い立てる役だ。
ゆっくりそれを思い出す必要がある。
受けたきり放置されていたクエストを雑にこなしながら思い、セーフゾーンから外に出て敵に殴りかかりに行った。
これだ。この感覚だ。
かつて散々やったことだ。思い出すのに時間はかからなかった。杖を振りぬいた時に伝わる確かな手応え。大地の生成物質を凶悪な岩の塊に強制転換させて隆起させる攻撃魔法。
何一つ癒してはいないが、まあ、こんなかんじだろう。
だがメインクエストの次なるダンジョンはボスの水蛇(リヴァイアサン)だ。8人がかりで挑むボス戦。さすがにこのノリで行くには敷居が高すぎる。
「どうですかね」
相談に行くと、エオルゼアの覇者みなしさんは言いました。
「攻撃を避けて殴ればいけます」
「なるほど!!!」
「行きましょう」
「ついていきます」
みなしさんの助力を頂き、水蛇の元へ向かいました。当然初見なのでなんかムービーが流れていましたがまるでわからずフレーバー程度の感覚で処理。
「これ8人で挑むやつですよね」
「そうです」
「これ8人で挑むんですよね」
「そうです」
(おかしい…ボスが目の前にいるのに…おれとみなしさんの名前しかない…)
「あの、あと6に」
「人は誰もが光の戦士になれるんです」
「いやでも8人で挑む奴にさすがに」
「恐れることはありません」
「でも攻撃役が一人も」
「敵に不足なし。いきますよ」
復帰後のエオルゼアは我々により光の戦士たらんとする試練をお与えになる……。(倒した