人類は衰退しました / 人類は衰退しました 2 / 人類は衰退しました 3

中篇二話を合わせた構成です。三巻は長編丸々一個。一巻は未知との遭遇、二巻は未知の体験、三巻は探検譚でした。登場人物も増えてゆきます。一巻では主要メンツ、二巻では助手さん、三巻では猫耳の人とその相方。

人類が衰退した地球において未知の存在である妖精との文化交流を経て云々かんぬん……みたいな話を思い切り砕いたような感じの話です。二巻は妖精さんとの世界観を若干共有して、三巻は衰退した世界背景を掘り下げる探検でした。
そして何より魅力たらしめているものの一つが、一人称での砕けた語り口でしょうか。饒舌な主人公の語りを通して見る世界は、ちびこい謎生命体の謎の部分をより深いものへと強調しているような感じがあります。
淡々と
ようせいが あらわれた !
のようなドラクエ的遭遇を描写されるより、感慨深げにその所感を語ってくれる方がよほど衝撃感を伝えてくれます。
妖精さんはひらがな喋りの短文会話ですが、絶妙な単語チョイスでの短文会話で、そういう集合体として描かれるためにそれはそれで謎っぽい感じ以外に愛らしさが出てて素敵でした。三巻は、深く触れるとネタバレになるんで書きませんが、妖精分が少なくてちょっと寂しい……。ですけど三巻はSF分が物凄かったんで、物語としてはとても楽しめました。うまい具合に探検もんになってるし。