ロリの語源がナボコフのロリータから来ていて、ショタの語源が鉄人28号に由来するように、ロボットはカレル・チャペックの書いた戯曲R.U.R.に由来します。
読んでみてどうにも既視感にとらわれると思ったら、タイムマシンに似ているんですな。タイムマシンの方が後かもしれませんが。似てるといってもタイムマシンにロボットもどきが出ると言うことではなく、ロボットが台頭してくると同時に人間はその役目を終えたように衰退していく、という点においてです。タイムマシンでも未来の世界では人間は行き着くところまで行き着いて、幸せそうな愚物になっています。
R.U.R.は単純に労働者の反逆をロボットに託して書いているのかと思ったら、人間がロボットにほぼ完全に滅ぼされ、そして一人だけ生き残った人間が再び生命の種を見つける、と言う終わり方になっています。ロボットの起源から既にこういう話だったとは思わなかった。でも人造労働者の概念なんてそういう境遇でもなきゃ生まれないよな。ただタイムマシンとの違いは、タイムマシンはあまりにも遠い未来で特に救いもなかったことに対し(映画も然り。あのような化け物の親玉を倒したところで、全てを投げた未来人の生活が向上するとは思えない)、R.U.R.は最後に希望を見出して終わるところだと思う。


ところでロボットの語源はR.U.R.であるけど、カレル・チャペック自身は人造労働者をラボル(Labor)と呼んでみたがしっくりこなかったので、画家である兄のヨゼフに相談したところロボットにするんだな、と言われて決まったらしい。