ファンタジスタドール・イヴを読んだよ

ファンタジスタドール・イヴ読みました。
人間失格を連想させるとか色々書かれてましたけど、人間失格を読んだのも相当昔で記憶に薄く、連想はしませんでしたがこれはこれ単体で相当…。
元ネタというか本編にあたるファンタジスタドールの方は微塵も見てないんですが、知っているビジュアルイメージ見た限りだと別物と思って相違なさそうでした。
心が弱っている時に軽い気持ちで読む本じゃなかった。
知っているビジュアルイメージを元に考えればここまで重いとは到底想像つかないよ…。
主人公大兄(おおえ)が人間を離れていく過程…特に決定打となるエピソード、それなりに感情移入して読んでいたところに鉄のバットで脳天を振りぬかれたような衝撃。
「心を作る」「体を作る」渇望と絶望で二人の青年によって生み出される過程は、まっとうな人であることを離れていく過程。

エピローグにあたる部分で「普通の人でした」という第三者からの見透かされ具合もより…より一層…。

絶望的なくらい失望して放心して、すべてを投げ打ってほか見向きもせず一身に別のことに打ち込むっていうのは自分にはないものなので凄いなあ…と憧憬交じりに見ていました。
もう少し自分の心も自分でこねくり回せればいいのにと思うほど、ここ半年くらいはちょっとしたことでぺしゃんこになったり膨れたりと自分の制御を離れてしまっています。
状況を楽しむくらい強靭な心には生まれつかなかった。