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エルゴヒューマンプロを買った。高い買い物だった。八万くらいした。
買った所では古い椅子の引取りサービスがあり、今まで使っていた椅子を回収してもらったのですが、古い椅子とは長い付き合いで、かれこれ7年くらい使っていた。
7年、7年である。体が最適化するには十分であり、こうやって名残を惜しむ雑記を書き始めるほどには馴染んでいた。
エルゴヒューマンプロは一般的にはいい椅子だ。一方、僕が使っていた椅子は七年前に一万ちょいで買った安物だ。アームレストもガッコンガコン動くし、腰あても申し訳程度のがついているくらいだ。だが広い座面と、高い背面部は椅子に座った状態の寝落ちを何度も僕を助けてきた。
何故買い換えたかというと理由はある。
椅子の背を倒したときにキシキシ音がなるようになり(経年劣化だと思う)、アームレストのクッションがモーセの通り道のように縦に割れたのもあり、何よりブツヨクが顔をもたげたのだ。
家にきたエルゴヒューマンプロに座ってみて、試座したときよりもよほど感覚的に座り比べてみてしまい、あまりの違和感によほど古い椅子を出そうかと思ったほどだ。違和感とは言っても良し悪しではなく、頭で判ってても古い椅子に座る感覚で座るので、単純に違うと感じてしまうだけである。
色々調節をしたが、どうしてもやはり古い椅子の感覚に近づけようとしている自分に気づく。馴染んだ感覚に近づけようとするのが正しいことなのか、結局古い椅子から脱却しきれていないんじゃないかとか、色々思う。PCだのなんだのはすぐに新しいものに飛びつくのに、こういうところで後ろ髪引かれるとは思わなかった。多分頭では買い替えどきなんだろうなあという理解に至っていたものの、すわり心地とかそういったところにまったく不満がなかったことに気づいた。椅子に興味を持つ回数が増えていたから、遅かれ早かれ買い換えたのかもしれない。普通に座れて、背が高いというシンプルさ。細かい不満は確かにあったが、それは遠ざけるに値する程ではなかった。


でも多分、すぐ慣れる。新しい椅子も高いだけあって、ゴミではない。むしろ変な姿勢を矯正さえしていってくれるかもしれない。
そして慣れたらこの後ろ髪引かれるような郷愁のような感覚も思い出さなくなるのだろう。