実家から荷物が届き、その中の一つに底が畳になってるスリッパが入っていたのですが、離れたとこからでも判る畳の匂いに何だか懐かしさと寂しさが……。
畳は何故か夏の印象があります。これは単純な連想で、夏、帰省、田舎。何度か触れたような気もしますが、ぼくが生まれた大分の地は恐ろしく田舎で、歩いて二十分くらいの急斜面を登ったところにある、周囲になにもない開けた場所の一軒家が大分におけるぼくの家でした。視界には畑と山しかなく、左手には寂れた神社の残骸のような場所がありました。
三月末ごろに犬の散歩と称して適当にうろついたら、終端がなく途中で引き返すほど。多分二時間くらい歩いてました。山と畑しか視界にはなく、道は遥か遠くまでゆるやかなカーブを描きながら続いています。一番迷惑だったのは、戻った瞬間水に駆け寄った犬たちだったと思う。はははごめんごめん。
それはともかくとして、そこでは畳に布団を敷くのですが、ねずみが屋根裏をどたどたと走り回るため、都会に飼いならされた現代人としては、布団に染み付いた香の匂いと畳の匂いに挟まれて、何だか非常に心細い気持ちで眠りにつくのでした。そして帰省は大体夏のある日の出来事だったので、その辺の記憶の中で畳の匂いと言えば何となく夏を連想するものと相成っていたのかもしれません。あとほら、夏の清涼的なのでよく和っぽい感じの特集やりますし、畳と夏で検索かけると畳と冬より圧倒的に多いし!(後付
とても広い場所で、知り合いも全然いなくて、ひとりでぼーっとしている。だから、夏は何だかぼくにとってはもの悲しい。