世界SF全集9を読む。
山椒魚戦争を目的に借りてきたものなので、山椒魚戦争は全部読んだのですが、それとペアになっているトラストD・Eは挫折してしまった。ヨーロッパ滅亡計画はいいんだけど、主人公エンス・ボートが80P読んで理解できなかったのでやめてしまいました……。
しかし山椒魚戦争は面白かったです。最初は山椒魚同士で戦争を起こすのか、山椒魚の利害を巡って人間同士で戦争を起こすのか、読んでいるうちにころころ変わりましたが、最終的に高度な知能を身につけた山椒魚が、増えすぎた同族を養うために人間に対して戦争を起こすという結果でした。
やたら深く掘り下げていて、架空の生物に確かな理論付けを行う様はまさにSFの極致。SFの醍醐味は宇宙どーん! ではなく、どれほど嘘をそれらしく描いて見せるかですよ。SF好きには名高いディアスポラは、僕が前作とか読まずにいきなり手に取ったのもあったためか、もはや理解不能なまでに達していてあれも挫折した。
でもこの、なんだ、最後の最後で作者が出張ってきたのは収集がつかなくなったからであるような気もしないでもない。