AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~
過剰供給気味な中二病がいかに現実世界で戦えますか的な内容。中二病をリスペクトしつつ徹底的にこき下ろしたような作品でした。色んな意味で容赦なかった。
副題も完全に痛々しさを過剰に演出するためにやってますこれは。だって魔に竜に院に光に牙ですよ。しかも最後の闘いときますよ。捨て去った黒歴史ノートに刻んだ古傷が痛み出すような副題です。ぱっと見でなんじゃこりゃと思うし、プロローグ読んでもなんじゃこりゃと思うし、本文を読んでてもなんじゃこりゃと思うような代物ですが、終盤ではしっかり出てきてその辺を解明していってくれます。
失笑ものの(褒めてます)プロローグから始まり、いきなり普通の学園生活が始まるかと思えば、魔法少女(呪術少女の方が正しそうですが、共通認識的にこちらで)が出てきます。ヒロインの魔法少女が出たあたりではまだラノベっぽい展開ですみますが、106ページあたりから完全に暴走します。中二病が現在進行中の人でさえ首筋が暑くなりそうな展開にシフトチェンジ。実際にここまで密度の濃い空間が存在してたら、過去に覚えのある常人は精神が磨耗してしまいそうです。
しかしこんだけ暴走気味に書いてあるのに、最後は割と綺麗に着地するのはもう反則といっていいレベル。副題も大活躍します。
ロミオが好きでたまらない人は何冊でも買えばいいですが、人類は衰退しましたが好きな人は躊躇したほうがいいです。
何気に厨設定指南書として読んでも面白いと思うのですが、よくよく考えてみれば指南されてもアクが強すぎてファンタジーの設定にするのすら難しい。
穿ち過ぎかもしれないけど、美人がやれば(イタいことには変わりないけど)それなりにドラマにはなりますよ的な皮肉めいたものも若干混じっている気がします。